MANSORY2日目。
ドイツも最終日なので気合が入ります!!この日はカーボン工場とボディ工場の見学をしました。
実際の現場を見て歩くとやっぱり、身体が馴染むというか、ドイツでも現場の空気感は似ています。
で丁寧に説明してもらえMANSORYに来ても現場はやはり清潔で、整頓されている感じです。
ワーカーも一生懸命で手抜きなどまったくない様子でした。
ちょうどシンナーの匂いが恋しくなっていたので、一足先に帰国したような気持ちになってしまいました。塗装や材料、道具の話でワーカーと少し盛り上がりました。
やはり、作業は世界の共通語だと確信しました。
カーボン工場については、飛行機でも作れるのでは?程の大掛かりな設備。。。
おそらく数億円?規模のマシンがゴロゴロ。噂では、誰もが知るメジャーチューナーやディーラーのパーツもココで作られる?とか。
これは、MANSORYのカーボン工場設備とクオリティが確かなものだという証拠ですね。
なぜ、フィッティングが良く、なぜカーボン目がよれないのかなど、ここへ来て謎が解けた。という感じです。
「パーフェクト以外はNOだ!!」と断言する現場マネージャー。間違いありませんでした。

これ何のカーボンパーツか分かります?
ヴェイロンのリアクォーターパネルです。
カーボン1枚ものです...これだけ大きなパネルでもカーボンの目がどこを見ても一切寄れていないんです。
この1枚のカーボンシートを職人が型に一切寄れることなく貼り付けるんです。
もはや神業です...日本でもここまできれいに貼れる職人もそういないと思います。

ここがMANSORYの鈑金工場で、同じ敷地内にあります。

広さはボンドボディの半分と言ったところですが、様々なカーボンパーツが取付の為に、準備されていました。
ヴェイロン・CLS63・アヴェンタドール・ゲレンデ・ゴースト等...。

これはあのジュネーブに出ていた1台目のMcLaren MP4-12Cのキャンディオレンジのカラーサンプルです。

全方位カーボンです...(汗)
日本でありがちな純正パネルの上に貼り付けではありません。
全てパネル交換です。
ということはきちんと純正固定位置を生かしていますし、裏側の補強もしっかりと、これもまたカーボンで作られているのです。

このヴェイロンもドバイに行くんだとか...

ちなみにドバイでの販売価格は、8億円くらいだとか...

これだけの大物のカーボンパーツを寄れをなくして、一枚もので作る。
これ専用の型などのコストを考えると、こんな金額になるんですね...
基本的に、コストの内容は本当の意味で工賃ってやつですね。
世界の金持ちって、惜しげもなく金を使いますねぇ...

MANSORYのヴェイロンを買う客は、値段を聞かないんだそうです...
「これ買うから、作っておいて」だそうです・・・

男前...言ってみてぇ...

世界中から金持ちがMANSORY本社に来るため、様々なカラーサンプルを用意して、現車を前に色々と打ち合わせをすることもあります。
細かいことかもしれませんが、一人一人を大事にしているからこその準備なのです。
今の日本では、オールペンはそうそうありませんが、塗り分けなどの細かい部分で、実際のカラーサンプルで皆さまにご案内ができるよう用意もしております。皆さまのご要望を弊社に遠慮なく、お申し出頂ければ幸いです。

 

こちらの10Wスポークはホイールペイントなのですが、MANSORYが独占契約したとかで、McLaren ChromeというF1でMcLarenが使用しているクロームでペイントをしております。
日本でイメージするピッカピカのクロームではなく、どちらかというとダーククロームですが、深みのあるクロームで、日本で再現しようとしても無理でしょう。

とりあえず極悪人風なオヤジに、サンプルで10リッター分くれと頼んでみました...

 

 

こちらがMANSORY第1カーボン工場です。現在フル稼働中で、世界中からの需要と純正OEMで完全にキャパオーバーとなっており、それをカバーすべく。。。

第1工場の約1.5倍はある第2工場が近々稼働予定。
ここには現在市場にある最新の産業機器が導入される予定で、この工場だけでの設備投資額が約10億円...
更に、第3工場の建設予定もあるとか...型を保管する倉庫も新たに建設するようです。

これはロシアの超金持ちがワンオフでMANSORYに作らせるAUDI R8ベースのオリジナルカー用のカーボンボンネットの型です。
ロシア人がMANSORYに支払う金額は10億円だそうです...
どうなってるんですかね、資源のある国は...
その金持ちの仕事を聞くと真っ当な仕事ですが、まぁ当たれば儲かるビジネスです。
ちなみに会社というかショールームというか、建物に100億円掛けて建てているらしいです。しかもG・E・N・K・I・Nで...

こちらはロールスロイス ゴーストのフロントバンパーです。
ご覧のとおり、全てカーボンです(汗)。
でもこのバンパーも輸出される際には全てゲルコートで隠されてしまうのです。
隠れるんだったら、カーボン要らなくない?と思いますが、「最高のもの」を作るのがANSORYの使命なのです。
ロールスロイスに対するMANSORYなりの敬意でもあるわけです。

こちらは新型コンチネンタルGTのカーボンミラーカバーです。

こちらは某車メーカーの純正オプションのカーボンミラーカバーです。

 

 

ちょうど訪問した時には、弊社でオーダーを入れていたベントレーコンチネンタルGT Speedのリアディフューザーを生産していました。
それがまた自分たちの元に完成品として届いて、それを取り付けて納車する。
Visibleカーボンというものがありますが、これはカーボン本来の目を見せる仕様です。
Visibleカーボンの製品を作れる職人はMANSORY社員でもそれほど多くはありません。
ヴェイロンレベルのカーボンパネルを貼りこめる職人は、現在3名で、カーボン生産のトップは某有名車メーカーのカーボンパーツ開発の総責任者で、新たな職人の育成に努めており、あと数年で、Visibleカーボン職人を10名にまで増やしたいとの事でした。
それだけMANSORYのカーボンパーツは認められているという事なのです。

型にカーボンを貼り付けたら、特殊なプラスチックの袋に入れます。袋に型ごと入れてたら、次にプラスチックバッグを真空にします。

これが真空にされた状態。マイナス○○○キロの負圧です...
この中に指を入れたら、きれいに無くなります...
この真空状態でしっかりとカーボンを型に圧着させ、カーボン内のエアをしっかりと抜き取ります。

真空状態のプラスチックバックのまま、オートクレーブに入れてしっかりと焼きます。

焼きあがったら、完成ではありません。プラスチックバックを破って取り出し、型から取り外して、バリ取りを行います。

バリ取りが完了したら、足付をおこない、ゲルコートを全体に噴き付けます。

こちらが完成したコンチネンタルGTのVisibileカーボンボンネットです。
日本で作られているいわゆるウェットカーボンのボンネットとは根本的に作りが違います。
ほとんどのウェットカーボンボンネットは表面がカーボンで裏面はFRPで補強です。
しかも、一枚貼っては樹脂を塗り込んで、エア抜きをして(それでもエアは完全に抜けません)、また次を貼るという行程を繰り返します。
最近の車はアルミボンネットも多く使われております。
ウェットカーボンだと逆に純正よりも重いなんてことは多々あります。

MANSORYのカーボンは全てドライカーボンです。

カーボンシートに樹脂が予め染み込んでおり、ウェットカーボンのように樹脂を塗り込む必要がありません。この部分で大幅な軽量化につながるわけです。
あとは、真空引きによる圧着とエア抜き、オートクレーブによる徹底した焼き上げで超軽量かつ高剛性のカーボンパーツが出来上がるのです。
ウェットカーボンはドライカーボンのように焼き上げることは出来ません。
よって天日干しのような状態です。その差は歴然です。
上の写真は、ゲレンデ用の新型ボンネットの型です。
型もドライカーボンでガッツリと作られています。
製品に使うカーボンと型に使うカーボンもきちんと強度を考えてMANSORYでは選んでいます。
MANSORYでは全てがカーボンなのです。
「完璧なものを作るのに、妥協した素材は使えない」「完璧なものを作るには、人も大事なんだ、従業員は家族」
そういったものが全て揃わないと「完璧な商品はできない」。
だから、「オレがやる仕事はとにかくアイディアを出して、人を育てる事」「そのための投資は一切惜しまない。
クォリティの評価は必ず後から付いてくる。
その時に、オレにリターンがあればそれでいい」まさかそんな顔して、そんな男前な事言うとは思っていませんでした。
「惚れてまうやろぉ〜!!!」(チャン河合風)

こちらがドライカーボンのロールから必要なカーボンを無駄なく切り出す。
電動カッターです。インプットされたデータに基づき一瞬でカーボンクロスをカットしていきます。
これをハサミを使って切ると、カーボンの目がほつれたりするわけです。
大きな投資ではありますが、無駄なロスを無くす為です。
カーボンに対するその姿勢は、拍手モノです。

ステアリングの製造工程はMANSORYもTECHARTもほとんど同じですが、カーボンやウッドをどこに装着するか、ステアリング本体のにぎり具合がメーカーにより微妙に異なります。

こちらがウレタンエアロ用の機材になります。
MANSORYは自社のウレタン工場をいくつか持っており、今回訪問したカーボン工場には小ぶりなウレタンパーツも生産しており、某有名チューナーのパーツもここで生産されています。
ウレタン製のパーツを出しているところは、そうそうありませんからね。

 

 

カーボンエントランスモールの製作も今までのオートクレーブ方式ではなくプレス方式に切り替えたとの事で、某有名メーカーの純正カーボンエントランスモールもMANSORYで一部作っています。
カーボンエントランスモールを出しているところはそうないので、お察しいただけるかと思います。

ヨーロッパでも3社しか導入していないという超巨大ウォータージェットカーターで、その額は2億円とか...
あのエアバス社も採用しているそうです。
幅15メートルのものまでカットできるとの事です。
カーボン製品を作るに当たっての投資額だけでもトータルでウン十億です。

ボクのドイツ最後のメシも肉料理!
肉&ジャガイモ、以上!!ドイツに来たからには、ドイツ料理を堪能すべし。
肉しか食べてないせいか、この後何日か便秘気味でした。。。
ドイツ流にチューニングされた剛性の高いブツです。

これがMANSORYのオヤジの晩飯...ムール貝テンコ盛り。
以上!

あとは酒、酒、酒

しかも今日はMANSORYの娘の12歳の誕生日だったのに、一日付き合ってくれた上に、晩飯までお誘いいただきました。

最後はMANSORY氏に食事に誘ってもらい、楽しい時間を過ごしました。
どうですか、この極悪人(笑)との笑顔の2ショット。
最高のものを作る職人とそれを取り付ける職人の宴です。
言葉が分からなくても、何だか言っていることが分かってしまうのが不思議な感覚でした。

最初の入国時には、何を言っているかサッパリ分かりませんでしたが最終日になると、全部は分からないですが、同じ商品を扱っている者同士で、共通の話題はある程度、理解できました。

社長!オレ、もうどこにでも行ける・やっていける気がします!

こちらが、カーボン工場の工場長。今回も彼に1日掛けて、カーボン工場で、MANSORYの製品について、イチから事細かに説明をしていただきました。
MANSORYのカーボンパーツがどうして高いのかということを今回の工場視察でしっかりと勉強できました。
今後の取付に対する姿勢も変わりますね。あれだけの信念を持ってカーボン製品を作り出している以上、ボクらにもその素晴らしさを伝える責務もあります。
現場で作業もしているので、間違いのない確かな情報をお伝えします。
MANSORYのカーボンパーツの事なら、トミヤマまでお気軽にお尋ねください。

それでは出発!
それでは出発!
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